2012年5月7日月曜日

Amazon.co.jp: パスカル―痛みとともに生きる (平凡社新書): 田辺 保: 本


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5つ星のうち 5.0 ラフュマ版『パンセ』唯一の手軽な解説書, 2010/11/1

レビュー対象商品: パスカル―痛みとともに生きる (平凡社新書) (新書)

遠回りなことから書くと、『パンセ』はパスカルの「キリスト教護教論」のためのメモ書きである。1000近く残されていた小さな断章をまとめたものだ。

残された断章をテーマ別に並べ直したのがブランシュヴィックという学者で、わが国で読まれてきた前田陽一訳も由木康訳も、その他の本もほとんどがこのブランシュヴィック版によっている。


プロゲステロン月経

ところが、残されていた順序のままメモを書き写した「写本」(パスカルの死の直後のもの)を研究していた学者が、メモ書きの約半分はパスカル自身によって、表題つきで分類されていたことを発見する。その写本をさらに克明に検討して、作者の意図を忠実に再現したのがラフュマという学者だった。

パスカルの手で分類された部分は、(1)「神なき人間の悲惨」と(2)「神とともなる人間の幸福」に分けられ、(1)ではささいなことで不安におちいる人間の「空しさ」や「アンニュイ」が語られ、そこから逃れるために「気ばらし」を求める人びとの姿などが活写されている。(2)ではそうした人間が信仰にいたるために必要な預言の重要性や奇蹟につ いての考察が示される。

これまで日本で読まれてきた『パンセ』とはまったく相貌一新。印象もまるで違う。


乳児の脚の震え

いまでは欧米でも主流になったラフュマ版『パンセ』の翻訳者が本書の著者だ(教文館「パスカル著作集」6&7巻。ちなみに講談社文庫の松浪信三郎訳『定本パンセ』もラフュマ版によっている)。
そんなラフュマ版の解説に当てられているのが本書の第二部である。その意味で本書は、手軽に読めるラフュマ版唯一の<解説書>として貴重。

著者は時に『パンセ』の本文を引き、時にはわかりやすい例を挙げながら懇切丁寧に解説する。説明に沿って読んでいくと、以下のような有名な文章もいきいきと甦ってくる。
《なぜ、他の場所ではなくこの場所にいるのか、なぜ、あの時でなく、この現在にいるのか、まったくその理由がない》
《たましい� ��死すべきものか、死なないものかを知るのは、それこそ全生涯にかかわる一大事なのだ》
《自分の悲惨さを知らずに神を知ることは、傲慢を生む。/神を知らずに自分の悲惨さを知ることは、絶望を生む》……

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なぜ私はいつも緊張と痛みのだ?

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5つ星のうち 4.0 パスカルに対する著者の気持ちが伝わってきます。, 2004/8/31

レビュー対象商品: パスカル―痛みとともに生きる (平凡社新書) (新書)

 著者はパスカル研究を中心としたフランス文学者で、パスカルについては他にも著作がありますが、本書はその中でも最も簡単でコンパクトな入門書です。

 研究者というのは程度の差はあっても自分の研究対象には愛着を感じるものですが、この著者はそれ以上の「愛情」を感じました。弱く健気で純粋なパスカルを、著者は共に人生を歩む同志として捉えています。著者の真摯で誠実な姿勢は敬意に値します。


 ただ、この本の問題ではなく、普通に日常生活を送っている多くの日本人にパスカルが受け入れられるかという根本的な疑問があります。この手の作品なら、「世間ずれ」しているモンテーニュの方が一般の人にはとっつきやすいのではないでしょうか。

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